ミュンヒハウゼン男爵(英語では、マンチョーゼン男爵)という実在の人物が周囲に語っていた奇想天外な冒険譚が、1781年にベルリンで著者不明なまま書籍化されます。
それに大幅加筆して、ルドルフ・エーリッヒ・ラスペという人物が1785年に英語版を出します。
それをゴットフリート・アウグスト・ビュルガーが1786年に独訳・加筆して、ドイツへ逆輸入します。これが今ドイツで一番知られている「ほら男爵の冒険」物語です。
その後も数多くのバリエーションが作られて現在に至っていますが、その基本となるお話は、ミュンヒハウゼン、ラスぺ、ビュルガーという三人の手によって、形作られたと言えるでしょう。
何をオリジナルとするかが難しい中、《望林堂完訳文庫》では、ドイツで一番知られていると言われるビュルガー版をもとに、1862年のフランス版で採用されたギュスターヴ・ドレの挿絵をもれなく掲載している、1867年発行の英語版を完訳することにしました。
そんなバカな!というほら話の数々を、たくさんの美しい挿絵とともに、ぜひお楽しみいただけるよう、出版に向けてがんばりたいと思います!
乞うご期待!