2023年4月27日木曜日

Pagesで作った縦書きEPUBは、Koboでは横書きになってしまうという問題

EPUBは電子書籍の共通フォーマットですが、望林堂では基本的に、このEPUBデータを「でんでんコンバーター」で作成しています。しかし最新巻「子守りのビルの大冒険」では、初めてAppleのPagesを使いました。

なぜかと言うと、「子守りのビルの大冒険」で掲載したい画像が160点あったのですが、「でんでんコンバーター」では組み込める画像ファイルが最大100ファイルという制限があったためです。

PagesはApple社製の無料ワープロソフトで、とても使い勝手が良く、EPUBデータへの書き出しもできます。ところがこれまでは、縦書きができないという致命的な欠点がありました。

しかし2019年にようやく縦書きに対応したことで、ワープロ感覚でEPUBデータ作成できるのでは、と期待していたのです。実際、ルビ振りはとても効率的に行えるようになりました。

ところが、出来上がったEPUBファイルを、EPUB-Checkerで問題ないことを確認した上で、各ビューアーで動作チェックを行ったところ、Appleの「ブック」では当然ながら問題なく表示されましたが、Kindle Previewerでは画像の表示サイズにばらつきがあました。

さらに楽天Koboデスクトップに至っては、右から左へページが進むのにページ内では横書きという、ありえないレイアウトになってしまったのです。加えて、図版がページ内におさまらず、ページをまたがるようにして切れてしまうということが起こりました。



EPUB-Checkerで問題なしと判定されながらも、Pagesで作成したEPUBにクセがあるのかもしれませんし、KindleやKoboの表示アプリ側に問題があるのかもしれません。(実際、EPUBデータをKindle Previewerで表示する際には、手が加えられていることを伺わせる表示がされます。Koboも、拡張子をkpub.epubにすると表示がきれいになるようです。)




とにかく、原因は定かではありませんが、Pagesで作成したEPUBデータは、特にKoboとの相性が良くないということです。実際、このEPUBデータで出版申請すると、上記の不具合を理由に、出版が許可されませんでした。

結局、PagesによるEPUBデータをSigilという無料の多機能ツールでデータ修正をして、Koboでも問題なく表示されるデータを作ることができました。(ちなみにPagesのEPUBデータをSigilでプレビューされたものは、きちんと縦書きになっているので、やはりKobo側にクセがあるように思います。)


ということで、EPUBという共通のデータ形式で作ったものであっても、その作成ソフトや、各プラットフォーム側のデータの扱い方が絡むと、きれいに表示させるのは一筋縄ではいかないということが分かったのでした。

それとともに、今までこうした問題が起こらなかった「でんでんコンバーター」によるEPUBデータの信頼性の高さも、あたらめて実感した次第です。

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