2015年7月20日月曜日

次回配本第14弾は「みつばちマーヤの冒険」

候補その1と言いながら、結局他の候補が出揃わないうちに《望林堂完訳文庫》次回配本 となる第14弾は「みつばちマーヤの冒険」に決定です。

数少ない完訳本の一つを取り寄せてみたのですが、正直なところ訳がこなれていない印象を受けました。文章がすっと入ってこないので、情景が自然に浮かんでこないのです。それはつまり、こういう心情を言おうとしているんじゃないかとか、こういうなんじゃないかとか、補って考えないと先へ進めない感じです。

加えて、会話の多い作品であるにもかかわらず、言葉遣いに統一性がないので、キャラクターの個性がはっきりしません。するとキャラクターが印象に残らないし、マーヤとのやり取りの面白さも伝わらないという、読んでいてとてもはがゆいことになります。


これを少しでももっと気持ち良く読める訳書として出したいと、強く思いました。それが次回作に決めた理由です。Homer Boss氏のイラストも可愛らしいので、それもまた本書を選ぶ一つの要因となりました。




ちなみにその他の候補として検討していたのは、


「少女ポリアンナ(Pollyannna)」、
「ドリトル先生航海記(The Voyages of Doctor Dolittle)」、
「ジキル博士とハイド氏(The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde)、
「幸福な王子(The Happy Prince and Other Tales)」

などでした。今回は取り上げませんでしたが、今後本文庫に入る可能性が高い作品です。あわせてご期待ください。